8月8日の15時から天皇陛下のビデオメッセージによる「お気持ち」の表明が放送されましたね。
はっきりとは生前退位という表現は使いませんでしたが、以前から報道されていたとおり、「今後は全身全霊で象徴としての務めを果たしていくことが難しくなっていくのではないか」と陛下自身の生前退位への思いを公表されました。
現実的には生前退位への道のりは法律や制度上簡単なものではありませんが、実現した場合の次の天皇は誰になるのでしょうか?
今回は天皇陛下が生前退位へのお気持ちを公表したことをうけて、次の天皇は誰なのか、また皇室の家系図や次期皇太子が不在という問題について見ていきたいと思います。
生前退位が実現した場合、後任の天皇は誰?
以前から予定が報道されていた、天皇陛下のお気持ちの放送が8月8日15時から放送され、生前退位へのお気持ちを表明されました。
天皇陛下は憲法で定められている国政に関与しないという立場から、直接的な「生前退位」という言葉などは使いませんでしたが、今回のお気持ちの表明のなかで、実質的に生前退位への思いを表明されました。
天皇陛下のあくまでも一個人としてのお気持ちの表明。此処まで引き際をその理由も明確に強いお言葉にされるまでの困難な過程を考えると尊敬の念しかない。象徴という立場で各地を慰霊し、被災地を励まし、笑顔を絶やさない。政治信条や思想を超えて尊敬すべき一個人だと思う。ゆっくりして頂きたい。
— 高橋ひでつう_ホームパーティー研究家 (@Hidetwo) 2016年8月8日
現在の法律では天皇が崩御した場合に限って次の天皇が即位する決まりになっていて、それ以外の生前退位などの決まりは憲法にも皇室典範にも定められていません。
では実際にどう生前退位を実現するのかというと、憲法や皇室典範を改正するというのは難しく現実的ではありません。
現在の天皇陛下一代限りの退位に関する特別な法律を作り、生前退位を実現するのが現実的と言われています。
天皇陛下が退位した場合、皇室典範の決まりにのっとって皇位継承資格の第一位は、現在の皇太子、浩宮さまなので、浩宮さまが次の天皇に即位することになります。
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皇室の家系図や次期皇太子が不在の問題も紹介
現在の皇室の家系図を見てみましょう。
天皇陛下が生前退位されると、皇室典範第一条の「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」により、皇位継承順位1位の現在の皇太子さまが天皇になります。
問題は現在の皇太子さまが天皇になった場合、次の皇太子が誰になるかということです。
皇室典範では、皇太子は「天皇の子であって皇位継承順位が1位の皇族」と定められています。
ところが現在の皇太子さまには男のお子さまがいないので、即位すると皇太子がいないということになってしまいます。
皇太子さまの弟の秋篠宮さまが、皇位継承順位1位で皇太子さまの次の天皇になるのですが、あくまでもその時の天皇の子でなく弟なので皇太子になることはできません。
今の皇室典範のままでいくと、生前退位を実現するしないにかかわらず、現在の皇太子さまが次の天皇に即位すると、次の皇太子が空位になってしまうという問題が起こってしまうのです。
皇位継承順位はあっても皇太弟が現状ないのか、知らなかった。これが一番の難問な気がするな。
皇太弟を定めた後に天皇に男子ができたらどうするか(現実的な可能性はさておき)。廃するのは剣呑だし、さりとてそのまま皇太弟が即位すれば次の皇太子はその子孫に移ってしまう。継承順位とも矛盾する。— さき (@saki_japonaisee) 2016年8月8日
ただ歴代の天皇家の歴史をみてみると、皇太子が空位だったことは珍しいことではないようです。
皇室典範で定める皇太子という位は空位になったとしても、実際の皇太子の職務は皇位継承順位1位の秋篠宮さまに引き継がれるので問題はないだろうという意見もあります。
解決策としては、皇室典範を改正して皇太子の定めから天皇の子であってという部分をとり、皇位継承順位が1位の皇族を皇太子と定めるようにしたりするなど、現状をある程度変えることが必要になりますよね。
ただ過去の歴史上にはあったとはいえ、最近では6代続いて親子継承が続いてきたことを考えると、天皇の弟が皇太子となることに違和感を覚えたり反対する意見が出てくることも想像できますね。
どちらにしても過去にこうなることはわかっていたはずなので、先延ばしにしてきた議論をそろそろ待った無しで始めないといけない次期になってしまったということだと思います。
仮に天皇陛下退位となると次の皇太子がいないという問題に直面しますが、敢えてそういう問題提起をされてるのではないかと拝察をする。個人的には皇室典範を改正して陛下のご意向を汲んであげたいと思います。
— カオル (@kaoruaa) 2016年8月8日
まとめ
過去に二度の手術を受け、高齢による体力の低下を感じるようになった天皇陛下にとっては、現在の公務はかなり負担となっていることは簡単に想像できます。
自身の象徴天皇としての立場を超えないように慎重な言葉でのお気持ちの表明は、語り口の優しさと同時に象徴としての役割を果たせないようでは天皇である資格がないという強い意思も感じさせる内容でした。
今後は皇室典範の改正や、今回に限る生前退位の法律の制定をできるだけ早く行って、少しでも早く天皇陛下の公務の負担を減らすことができればいいと思います。
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